青森県量子科学センター

県委託研究公開情報

県委託研究公開情報

研究開発テーマ
高レベル放射性廃棄物からの放射性同位元素の高度分離技術の開発

研究開発課題名 高レベル放射性廃棄物から分離した放射性CsおよびSrの熱利用設計に関する研究開発
実施機関 国立大学法人東北大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
高レベル放射性廃棄物から分離した放射性同位元素(RI)の中で、発熱核種となるCs-137やSr-90等の熱利用の設計を行う。そこでは、分離工程を考慮して熱源として利用できる核種の量、総発熱量を整理するとともに、それらをヒートポンプの熱源等して利用することにより、熱利用効率を高め(熱電素子を介するのではなく、熱を熱として利用する)、かつ、利用温度に柔軟に対応することを基本とする。その際、課題となることが、一定の発熱量を放出する核種からの熱回収となる。この場合、熱源がある温度になると熱移動が止まることはなく、除熱や熱利用を継続しないと、熱源の温度自体が上昇し、極端には熱源や容器の溶融を避ける必要がある。この熱回収の方法としては、水や空気を熱媒体にする方法が考えられ、熱源に含める発熱核種の量を、容器の耐熱性、耐放射線性、熱媒体を考慮して、最適化したRI熱利用システムの設計を行う。

研究開発テーマ
放射性同位元素の医学・工学等への応用

研究開発課題名 PET薬剤製造システムの構築とその評価
実施機関 岩手医科大学
研究期間 平成30年度から令和3年度まで(4年間)
研究開発の概要
本研究は、青森県量子科学センター(QSC)において、国内有数のPET拠点施設として、高度医療・先進的な医療を担うPET臨床を展開させることを目的とし、PET薬剤の高い品質と信頼性確保するため、学会GMP(日本核医学会院内製造PET薬剤基準)に準拠した製造管理体制および効率的・機動的な運用法を構築するものである。PET用プローブの開発及び製造技術の標準化を推し進め、有益なPETプローブのPET臨床を展開させることで、がん、認知症、および脳血管疾患などの生活習慣病のPETによる早期診断技術を広く県民に提供することを目指す。
研究開発課題名 臨床用PET-CT装置、薬剤合成装置を用いた臨床医学応用研究
実施機関 岩手医科大学
研究期間 令和元年度から令和3年度まで(3年間)
研究開発の概要
臨床医学においてPET-CT撮影を行う場合、安定した薬剤供給→PET-CT撮像、患者誘導→検査前セットアップ→検査→検査終了後の処置、と一連の検査が円滑に完了することが必須である。また、検査担当者の被ばく防止が重要課題となる。検査を円滑に行う上で、薬剤供給、PET-CTの性能の基礎的評価が整うことは臨床医学研究の前提条件となるが、これらは現在研究進行中である。薬剤供給安定化、PET-CT性能評価・運転法の確認がなされた時点で、ヒトの撮影が行われるのが理想である。その前段階として、机上でのシミュレーションや核種を使用しないcold scanを事前に行い、核種薬剤供給可能となった際に遅滞なく、かつ円滑に撮像を行い、診断に耐えうるデータが渉猟できるかを確認・分析する。
健常者において、円滑なPET-CT撮影、データ収集・処理・解析、再現性の確認が取れたのち、実際の患者(特に脳神経疾患領域)に対してPET-CT撮影を行い、対象疾患についてのデータ収集を行う。QSCのPET-CTが臨床研究に対応していることを確認し、学会・論文発表にて世の中に広く発信する。
研究開発課題名 量子画像診断システムの構築とその評価
実施機関 岩手医科大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
本研究は、PET/CT、PET/MRIシステムを利用した基礎・臨床研究を行うものであり、青森県量子科学センターに導入された臨床用PET/CT、動物用PET/MRIについて、安定運用に向けた設備のセットアップ及び運用手法の検討を行うことにより、研究開発活動の基盤となる装置の立ち上げと効率的なデータ取得法を研究する。PET/CTの画像は装置の性能に影響されるとともに脳血流等の定量値にも影響する。そのため精度と質の高い検査手法、手技が必要となる。本来PETは核医学機器であり、画像が求められるものではない。しかし、昨今の技術の向上はその質も向上させたため、それらを伴った定量精度の高い画像取得方法を研究する。一方PET/MRIの目的は小動物のデータ取得までの一連のシステムを作り上げることではあるが、本研究はそれ以前にPET/MRI装置の画像の位置ずれ等の問題点が発覚したため、それらを解決した後に、PETとMRIの基礎データの取得、つまり公称値どおりのデータが出る装置であるか、さらにPETとMRIそれぞれにどの程度の画像が得られるのかを追及する。そののち、定量精度の高い画像取得までの一連のシステムを構築する。
研究開発課題名 新規動物実験用加速器BNCTシステムの実用性評価
実施機関 国立大学法人弘前大学
研究期間 平成30年度から令和3年度まで(4年間)
研究開発の概要
ホウ素中性子捕捉療法BNCTは、腫瘍細胞選択的な重粒子線治療を実現する全く新しい医療技術である。しかし、この技術はまだ十分完成されたとはいえず、新たな展開の余地が残っている。このたび青森県量子科学センターに加速器BNCT装置が設置されたが、今後本装置を用いて生物実験を実施するためには、その装置特性に基づいた生物学的な効果を明らかにしておかなければならない。さらにはその運用方法についても具体的に検討する必要がある。そこで本研究では、青森県量子科学センター内に設置された新規の動物用加速器BNCTシステムの運用を確立し、その生物学的評価を行い、実用性を評価することを目的とする。
研究開発課題名 新規低酸素PETで実現する難治がんへの新しい放射線療法の確立
実施機関 国立大学法人弘前大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
放射線治療の高精度化に伴いがん治療の基本柱としての役割はますます高まっている。しかしその治療効果は治療抵抗性腫瘍細胞の存在によって将来的にすぐに頭打ちになることが予想されている。腫瘍中の低酸素に晒されたがん細胞が治療への抵抗性を獲得するためである。低酸素がん細胞への放射線効果を高める方法はいくつかあるが、いずれも実用化には至っていない。腫瘍中の低酸素がんを同定する既存の低酸素PETが煩雑で実用性に乏しく広く利用できないためである。
本課題では、18F-FRP170-PET/CTによる低酸素イメージングを有効活用することによって、増感法の最有力候補であるTH-302を放射線療法に併用することの有用性を示す。また、臨床研究の実施に向けた前臨床段階の基礎的データの収集を行ったのち、18F-FRP170-PETのヒト臨床研究について検討を加える。
研究開発課題名 高精度量子ビームがん治療法の開発
実施機関 国立大学法人弘前大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
中性子捕捉療法の抗腫瘍効果を最大限に発揮するためには、使用する核種であるホウ素10核種(10B)やガドリニウム(Gd)を腫瘍組織に迅速かつ特異的に送達するドラッグデリバリー(DDS)開発が重要である。我々は、腫瘍血管内皮表面に発現するアネキシンA1に結合するDDSペプチドとして同定したIF7とホウ素製剤の複合薬剤(IF7-BPA, IF7-BSH)を開発し、既存ホウ素製剤の600倍の腫瘍特異的ホウ素集積を示し、既存薬の1/25の低投与量で低中性子線照射による抗腫瘍効果を有することを明らかにし、知財化した(特願2018-117189)。さらに前立腺癌や腫瘍血管内皮に発現する分子を標的としたDDSペプチドとして、L7を同定した。本研究では、上記2種のDDSペプチドと10BやGdの複合薬剤による腫瘍特異的中性子捕捉療法のマウス動物実験をQSCにて実施し、革新的な分子標的高精度量子ビームがん治療法の創出を目指す。
研究開発課題名 BNCTシステムにおける中性子ビームの治療効果への物理学特性の研究
実施機関 国立大学法人東北大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
次世代ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の正常組織線量の最小化、腫瘍への線量集中性の向上を目的とし、加速器中性子源による高精度中性子照射技術、付与線量分布の3次元計測技術の研究開発を行う。さらに、担がんマウスを用いた動物実験においてその治療効果に関する評価を行う。
研究開発課題名 高性能PET装置に関する研究開発
実施機関 国立大学法人東北大学
研究期間 平成29年度から令和3年度まで(5年間)
研究開発の概要
がん、脳疾患等の診療技術の向上に資するため、加速器によるRI等の医学・工学等への応用研究として、陽電子放射断層撮像(PET)に関する研究開発を行う。

研究開発テーマ
先進放射線計測技術の開発

研究開発課題名 先進放射線計測技術の開発
実施機関 国立大学法人東北大学
研究期間 平成29年度から令和3年度まで(5年間)
研究開発の概要
次世代半導体臭化タリウムを用いた放射線検出器の実用化・高度化のための研究開発を行う。研究成果から得られる高性能検出器を応用した先進放射線計測技術に基づく放射線高度利用産業を六ヶ所村を中心とした青森県内に興すことをめざして研究開発を進める。
研究開発課題名 中性子イメージングを用いた非破壊検査技術の高度化
実施機関 国立大学法人東北大学
研究期間 平成30年度から令和3年度まで(4年間)
研究開発の概要
放射線計測技術を応用した放射線高度利用の産業化を促進するため、中性子イメージングを用いた非破壊検査技術の高度化を行う。中性子イメージングは陽子の分布を測定することに長けているが、MRIも同様であるため、MRIによる3次元陽子イメージング技術の開発を行う。
併せて、中性子イメージング機能の高度化を目的として、カメラ等機器の持ち込みのための中性子イメージング装置の性能評価を行う。
研究開発課題名 光ファイバ中性子モニタリングシステムの開発
実施機関 国立大学法人九州大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
中性子を用いた様々な応用が精力的に進められている。これまで、中性子利用研究は原子炉施設やJ-PARC等の大型施設に限られていた。施設が限られていたため、マシンタイムの確保は容易ではなく、これが中性子利用の裾野を広げる妨げとなっていた。近年、比較的小型・中型の加速器中性子源施設が稼働し始め、青森県量子科学センターもその中の一つである。これらの中性子施設の多くは熱中性子の利用施設であるが、オンラインで常時熱中性子強度をモニタリングしている施設は意外に少ない。そこで、中性子場への擾乱が小さく、さらにガンマ線に不感で熱中性子のみに感度を有する光ファイバ検出器を用いたモニタリングシステムの開発を進める。特に、量子科学センターの20MeV陽子サイクロトロンベースの中性子源では多くの高エネルギー中性子を含むため、高エネルギー中性子に対する耐性評価についても実施する。
研究開発課題名 粒子線励起X線分析技術の応用
実施機関 国立大学法人東北大学
研究期間 平成30年度から令和3年度まで(4年間)
研究開発の概要
放射線計測技術を応用した放射線高度利用の産業化を促進するため、高エネルギー陽子ビームを用いた粒子線励起X線分析法の応用に係る研究開発を行う。
研究開発課題名 加速器を用いた簡易・高感度元素分析法のブローダーアプリケーション
実施機関 八戸工業大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
QSCで開発されている20MeVPIXE分析法によって、⾦属試料も分析可能になりつつある。⾮破壊で1回数分間の測定で、マグネシウム以上の全ての元素をppmレベルで⼀度に分析が可能な優れた本⼿法が、⻘森県内で実施可能となることを契機に化学系分析産業の発展強化を⽬指す。⻘森県内での需要に対応できるか、⼀般⽣活試料、⼯業製品、環境試料、考古学試料、農産物、海産物、⼭菜類、キノコ類などの分析利⽤の商業利⽤の可能性を精査する。

研究開発テーマ
放射線・放射線場を用いた材料科学技術の開発

研究開発課題名 高温強度特性と耐照射特性を両立する先進構造材料の開発
実施機関 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
研究期間 平成29年度から令和3年度まで(5年間)
研究開発の概要
高温強度特性と耐照射特性を両立する先進構造材料として注目されている酸化物分散強化型低放射化鋼の高温強度特性評価に合わせて相関する組織因子の調査等を行い、その大量製造時の特性安定性の向上に資する組織因子を明らかにする。そして大量製造時の特性安定性の向上に資する要素技術を開発する。
研究開発課題名 水素取扱技術の安全性・信頼性を高める疎水性貴金属触媒の開発
実施機関 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
研究期間 平成30年度から令和3年度まで(4年間)
研究開発の概要
研究目標
1)原子力発電所向け水素再結合器用疎水性触媒の開発
2)疎水性触媒の酸化反応等に係る一般化学産業など幅広い適用可能性の実証
科学技術上のインパクト
室温近傍温度かつ水や水蒸気が存在する雰囲気下では水の影響で触媒反応が阻害されてしまうという従来の常識により、あきらめられていた各種反応が実用的な疎水性触媒の登場により実現可能となることは、化学反応の限界を一つ取り除くこととなり、新たな化学反応のブレークスルーとなる可能性を秘めている。
研究開発課題名 FeCrAl-ODS鋼のスモールパンチクリープ試験技術の開発
実施機関 国立大学法人横浜国立大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
近年、事故耐性燃料被覆管・核融合炉液体ブランケット・鉛冷却高速炉の炉心材として注目されているFeCrAl-ODSフェライト鋼は、高温強度・耐酸化性・耐照射特性の全てを網羅する革新的原子力材料である。本材料は今後、中性子照射環境での評価を積み重ねる必要がある。スモールパンチクリープ試験は小型ディスク試験片を用いるところが特徴であり、この試験手法を標準化することは中性子照射によって放射化された試験片の減容につながるが、課題は単軸クリープ試験との互換性を確立することである。本研究は非照射環境において単軸クリープ試験での実績があるFeCrAl-ODSフェライト鋼をスモールパンチクリープ試験に供することで幅広い温度範囲において単軸クリープ試験との互換性を見出し、更に加工性を改善させた新規開発材であるFeCrAl-ODS鋼の試験も行い、スモールパンチクリープ試験の妥当性を評価する。
研究開発課題名 Al合金におけるスモールパンチクリープ強度と微細組織の相関の解明
実施機関 国立大学法人弘前大学
研究期間 令和2年度から令和3年度まで(2年間)
研究開発の概要
一般的に、構造材料の長期強度や余寿命に影響を与えるクリープ特性を調査するには単軸クリープ試験が実施される。単軸クリープ試験には大きな試験片を要するため、局所的なクリープ特性の評価は難しい。一方、スモールパンチクリープ(SPC)試験は、微小な試験片によりクリープ特性を評価することができるため、構造材料の局所的な余寿命予測を行うことが可能である。
今後、SPC試験を余寿命評価手法として発展・確立させるためには、SPC強度と微細組織の相関を解明することは必須である。本研究は汎用的構造材料であるAl合金に対してSPC試験を実施することで、単軸クリープ試験との互換性を明らかにし、さらに試験途中および試験終了後の微細組織を調査することで、SPC強度と微細組織の相関を明らかにする。

※上記のこれら研究開発は国の放射線利用・原子力基盤技術試験研究推進交付金を活用して実施しています。

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